「ただ好きなだけ…」
バレンタイン時にサイトに描いてましたエゴ組のお話に

加筆しております。後で描き足したいなーを本でやってしまいました。
ケイちゃんが「大反省会」の時のエゴ話をスピンオフした
ロマ組の小説を書いております。(前回の話を知らなくても全く問題ないです)

表紙です。内容はホノボノコメディーです。
漫画サンプルに関しましてはこちらをご覧ください。

ケイちゃんの小説サンプルです

「記憶の欠片」

 バイトを終えて居候先の宇佐見秋彦の高級マンションに辿りついた美咲は、無造作に突っ込まれて半分以上、

郵便受からはみ出したでかい封筒を発見した。

 『宇佐見秋彦様』

 封筒の表書きにでかでかと殴り書がきされている。

(ウサギさん宛て・・・なんだけど)

差出人は不明。

 この家のの住所も書かれておらず、当然切手も貼られていない。誰かがここまで持ってきて郵便受に入れていった、ということになる。

秋彦の仕事関係・・・丸川書店の相川だろうかとも思ったが、彼女の場合だと、家の合鍵も持っているし、

勝手に上がってきてリビングにおいていくはずだ。

「お帰り、美咲。どうした?何かあったのか?」

「ああ・・・ごめん。ただいま」

 他の郵便物と一緒に首をかしげながらソレを抱えて家の中にはいったら、リビングにいた秋彦に目ざとく問いかけられた。

「あのさ、ウサギさん。・・・これなんだけど」

「郵便物がどうした?」

「これ、住所とかかいてねーし、差出人もかいてねーし、なんか変じゃない?」

 秋彦は世間的には名前の売れた小説家で、旧財閥宇佐見グループの御曹司だ。

本人がまったくそれを意に介していないどころか不満を抱いているほどことであっても、端から見れば彼の成功はもとより、

生い立ちまでもが十分やっかみの種になる。

「大丈夫だろ」

「え?だって!開けたらいきなりドカーンって爆発したり、変な粉とか液体とか出てきて、うわー!ってなったりしない?」

「しない」

「なんで即答するかな…って、あああッ!」

 なんともなげに封を切ろうとする秋彦の手を、怒鳴りながら掴む。

「美咲。心配してくれてるのか?」

「ちげーよ!ここで開けてドカーンてなったら、俺も一緒に吹っ飛ぶっつーの!」

「じゃ、奥の部屋で開けてこよう」

「待てって!バカウサギ!」

 慌てて次の言い訳を考えたものの出てこない美咲の前で、クスクスと秋彦はのんきに笑っている。 

 (本文より一部抜粋

がっちりロマ組のお話ですが陰の主役はこの後出てくるヒロちゃんです。

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